Adobeサミットで2年前から話題になっていた異常値検出 (Anomaly Detection)の機能が2013年10月18日にリリースされました。設定すれば、無料で使えます。実装の変更も不要です。 なぜ異常値が重要?Web解析では、(1)重要な指標を定期的に確認し、(2)変化があればアドホックに詳細な分析を行う、という流れになりますが、意外と大変です。
USでは、データサイエンティストがWeb解析の生データ(に近い詳細データ)を統計ソフトやエクセルに取り込んで処理することもありますが、スキルの敷居が高くなる、手間がかかる、時間がかかる、などのハードルがあり、手軽には真似できません。 同じことが、Adobe Analyticsのレポート画面上で簡単に調べられるようになりました。 アナリストにはうれしい機能ですね。 予測範囲を算出しグラフ表示時系列データの傾向を統計処理し、95%の確率で予想される範囲(上限と下限)を算出してくれます。 グラフでは範囲がグレーの帯のように表示されます。 ![]() この範囲を超えた値が「異常値」(外れ値)です。 異常値の時期と程度をプロット指標が予測範囲をいつ、どの程度超えたのかが、色付きのブロックで表示されます。 大きな異常値ほど、ブロックの色が濃くなり、点線から上下に離れて表示されます。 二つのグラフは同期するブロックのグラフには、複数の指標が表示されます。グラフ上をドラッグしてブロックを選択状態にすると、それらの指標の線グラフが表示されるので、どの指標なのかが分かります。 ![]() 使うための設定どの指標をウォッチするかは事前に設定が必要です。 ![]() 設定はレポートスイート単位になります。正しいRS名が選択されていることを確認してから、指標を選択します。 指標の数に制限はありませんが、多いとグラフがノイズだらけになります。最初は多めに選んでおき、実際のレポート(グラフ)を見ながら絞り込むと良いでしょう。 簡易セグメントを適用できる指標の単純な合計値だけでなく、特定ディメンションの特定の行項目で絞り込むこともできます。 上の図の「フィルター適用済み指標を追加」ボタンをクリックして設定します。 例えば、「Facebookでロイヤルティを高める」という施策の効果をウォッチしたい場合は、このように設定します。 ![]() リファラがfacebook.comの場合の「リピート訪問」という指標をセットしています。 eVarなどのコンバージョン系指標も使えます。 「フィルター適用済み指標」と聞くとよく分からなくなりますが、「簡単なセグメントを作成する」と考えると分かりやすいです。 まとめ このように、Ad Hoc(旧Discover)やData Workbench(旧Insight)を使わなくても手軽に統計処理ができます。 何を深掘りして分析すべきかが分かるようになるので、これは大きなステップといえます。 メール通知など、機能や使い勝手は改善していくとか。今後が楽しみな機能ですね。 参考
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