SiteCatalystは1st-Party Cookieで導入すべき3つの理由

posted Oct 9, 2011, 2:35 PM by Makoto Shimizu   [ updated Feb 13, 2012, 4:29 PM ]

標準的な導入方法の場合、SiteCatalystは2o7.netまたはomtrdc.netのドメインで発行するCookieにビジター固有のIDを保存します。計測対象サイトとは異なるドメインと送受信されるため、「第三者のもの」という意味でサードパーティーCookieと呼ばれます。

3rd-party Cookieは便利なので、手軽に使われてきました。

  • 自社ドメインの発行Cookie数が増えない
    (IEではドメインあたりのCookie数が20に制限されます)
  • 複数のドメインを超えても同じCookieが使える
    (1st-party Cookieの場合、例えば.cms-ia.infoにセットすればgoogle.cms-ia.infoとwww.cms-ia.infoのドメインで同じCookieを読み書きできますが、s.evar7.orgとはシェアできません)

一方、訪問していないサイトへ知らないうちに行動データが送信されるのが最近はプライバシーの観点で問題視されるようになってきました。
ブラウザの設定を変更すると、この3rd-party Cookieを無効にすることができますが、AppleのSafariは最初から
3rd-party Cookieが無効になっています。FirefoxやIEも、メジャーアップグレードで3rd-party Cookieを無効にするのがデフォルト設定になる可能性があります。ウイルス対策ソフトによっても、3rd-party Cookieを無効化したり定期的に削除する場合があります。

という背景で、3rd-party Cookieの拒否率は日々上昇しています。

その割合やスピードは業界やサイトによって異なるため、

  • 自社サイトのサードパーティー拒否率を定期的にチェックする
  • ファーストパーティーCookieへの移行プランを立てる
必要があります。 そのための具体的な方法を紹介します。

Cookie拒否率の調べ方

  1. 月別訪問者数のレポートを開く

  2. 対象期間を長くし、粒度(表示方法)を「月」にする

  3. 「永続的なCookie」をクリック
    この結果、月別訪問者数のうち、セッションを超えてCookieが保存されている訪問者(例ではオレンジ色)と保存されていない訪問者(=Cookie拒否者、例では緑色)が区別されるようになります。
    ※このサイトではCookie拒否率が最近上昇しつつある、と分かります
  4. CSVでダウンロードまたはメールする
    割り算で拒否率を算出してみましょう。このグラフでは計算指標が使えないため、別途Excel上で計算することにします。

  5. CSVをExcelで開き、関数を使って拒否率を算出する
    ※1st-Party Cookieを採用しているサイトでは「1st-Party Cookieの拒否率」、3rd-Party Cookieを採用しているサイトでは「3rd-Party Cookieの拒否率」になります

参考First Party vs. Third Party Cookies and Their Importance in Web Analytics【Starting a Dot Com】

日本ではおそらく、3rd-Party Cookieの拒否率が6~12%程度、1st-Party Cookieだと1%以下、でしょう。

Cookieが使えないと何が起こるのか?

SiteCatalyst v14まで

Cookieが使えない(拒否されてデータが戻ってこない)場合、基本的にはトラフィック変数のみをカウントするため、

  • ページビューやトラフィック変数(Prop)のインスタンスは問題ない
  • 日別や月別の訪問者数は、IPアドレスとブラウザの種類(User Agent)の組み合わせでユニーク訪問者数をカウントするため、精度が落ちる
  • 訪問(Visit)が増えない
  • コンバージョン変数はインスタンスのみが増えて、コンバージョン数や訪問数が増えない
  • 成功イベントは、インスタンスは増えるが、コンバージョン変数(トラフィックソース、トラッキングコード、検索キーワード、eVarなど)には結びつかない

SiteCaralyst v15以降

IPとUAの組み合わせで、訪問もつなげてカウントするようになりました。ので、

  • ページビューやトラフィック変数(Prop)のインスタンスは問題ない
  • IPアドレスとブラウザの種類(User Agent)の組み合わせでユニーク訪問者数をカウントするため、サイト全体の訪問数、コンバージョン系変数における訪問数と成功イベントの精度が落ちる

結論:SiteCatalystはファーストパーティCookieで導入すべき

以下の3つの理由で、SiteCatalyst(に限らずアクセス解析ツール)は自社ドメインのファーストパーティCookieで導入すべきです。
  1. 最近のプライバシーの考え方では、閲覧しているサイトとは異なるドメインにCookieデータを送信するサードパーティCookieは望ましくない(訪問者による明示的なOpt-inが必要)
  2. サードパーティCookieだと、ファーストパーティCookieと比べて計測の精度が10%前後落ちる
  3. Safari以外のブラウザがデフォルトでサードパーティCookieを拒否するようになった場合、更に精度が落ちる

ファーストパーティCookieへの移行にあたっての留意点

すでにサードパーティCookieで計測中の場合は、移行にあたって下記の点に注意する必要があります。
  • 計測用のサブドメインを二種類DNS登録する必要がある(SSL用と非SSL用)
  • そのSSL用ドメインで使う証明書を複数台分購入する必要がある(台数についてはAdobeに確認)
  • 他社(Adobe)が管理するサーバーに自社のサブドメインを割り当てることの可否について社内情報システムに確認が必要
  • 切り替え時にビジターIDのCookieがリセットされるため、訪問、訪問者数、過去のeVarなどが全てリセットされる
    (ので、月初にv15や東京RDCへの移行と合わせて実施すると良い)
  • サブドメインではないマルチドメインを同一RSで計測する場合は、visitor IDをURL経由で渡す必要がある
    実装例(GAと同じ方式の場合):
    1. ドメインを越えるリンクのみ、xxx.html?vid=123456などとvidのパラメータをJSで動的に付与
    2. リンク先のs_code.jsで(1)のパラメータを取得し、s.visitorIDにセット
    3. 引き回すため、1st-Party Cookieにも(1)のIDを保存
    4. パラメータにvidが無い場合は、1st-Party Cookieからvidを読み取る
    5. いずれも存在しない場合はvidをJSでランダムで生成し、1st-Party Cookieにセット

1st-Party Cookieへの移行には何か月もかかるため、把握だけでもお早めに!

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