大進化したファネルレポート

posted Jan 17, 2015, 12:32 AM by Makoto Shimizu   [ updated Jan 17, 2015, 7:31 AM ]

2015年1月16日にアプリ用レポート画面 (Adobe Mobile Services) に新しいファネルレポートが追加されました。地味に見えますが実は大きく進化しています。このスゴさは、リリースノートやヘルプを読んだりレポートをぱっと見ただけでは分からないので、使命感を持ってここでお伝えします。

ファネル(漏斗)とは液体を流し入れる用具のことで、ユーザーがドロップしていく様子を表現するレポートが「ファネルレポート」と呼ばれます。単にコンバージョン間のドロップ率を調べるだけ、という用途が普及していますが、実はもっと幅広く活用できます(すべきです)。

例えば、バナー広告から訪問したユーザーが一度サイトを去り、後日に何かのきっかけで自然検索または直接アクセスでサイトを再訪問し、サービス案内のページを見て理解を深める、というようなユーザーを軸とした長い期間での行動の変化を追うのが今風の使い方ですね。

今回の新しいファネルレポートも、そんな用途が想定されています。漏斗のメタファーを捨てて見た目が地味になってますが、実は従来よりも大幅にパワーアップ。Googleアナリティクスよりもスゴいです。

ここがスゴい(1)ステップを細かく指定できる

従来のファネルレポートは、ポイントの定義に制限がありました。全体に対してならセグメントを適用できますが、各ポイントはイベントを選択するだけで、eVarやPropを使えません。

新ファネルレポートでは、ディメンションと指標(イベント=コンバージョン)の条件を複数組み合わせられるようになりました。

概念的に表すと

例えば、

初めて起動した人>5分以上滞在した人>ログインした人

というファネルを作れます。

従来のレポートで同じ分析をするためには、「初回起動」「5分以上経過」「ログインページ表示」のそれぞれでイベントをセットしておく必要がありました。

ステップの条件(フィルタ)は、ディメンションの値や条件を組み合わせられます。

動的に評価されるので、過去データにさかのぼって適用できるのもスゴいです。

ここがスゴい(2)単位を選べる

従来のファネルレポートでは、イベントの単位がインスタンス固定でした。新しいファネルレポートでは、訪問(セッション)や訪問者数の単位を選べるので、重複除外できます。

実は、カスタムイベントやライフサイクル系イベントも指標として設定できます。例えば「いいね!」をクリックした時のイベントをファネルの指標として指定すると、ステップで指定する条件ごとに「いいね!」の数がどう減っていくかを確認できます。

ここがスゴい(3)比較できる

  • 全体のドロップ率を見て低い箇所を改善する
  • 過去データと比べて下がったら戻す

といったレガシーな最適化も可能ですが、各種条件でセグメントを切って比較し、違いが出る条件を特定できると、ターゲティングやA/Bテストが可能になり、よりスムーズに改善サイクルを回せるようになります。

そんな時に活用できるのが、ファネルレポートに新たに追加された「ファネル比較」機能です。

例えば、スマートフォンとタブレットでファネルの減り具合を比較してみます。

緑のバーがスマートフォン、青がタブレットです。折れ線は、全体の値を表しています。

この例を見ると、実はタブレットの方がステップ2の利用時間が低いと分かります。

ただし、次のステップ3では逆転しているので、タブレットの大きな画面でサクサクと利用しているだけかもしれません。更なる深堀分析が必要ですが、より具体的な知見が得られたので、分析と改善のヒントになりました。

まとめ

以上、ぱっと見ではスゴさが全く伝わらない新ファネルレポートについて具体的に紹介しました。

なお、「進化した」とタイトルに書きましたが、正確に言うと「Mobile Servicesにファネルレポートが新登場した。Web用のレポート機能であるReport&Analytics(旧SiteCatalyst)にあるファネルレポートから大きく進化している」ということです。アプリの Mobile Services は最近すごい勢いで進化しているのでオススメです。

お知らせ

2015年2月4日にユーザー会のeVar7として新年会を開催します。ぜひご参加ください!

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