計算指標を日別・値別に適用する裏技

posted Aug 11, 2010, 12:52 AM by Makoto Shimizu   [ updated Aug 11, 2010, 3:20 AM ]

SiteCatalystの計算指標は便利ですが、もっと柔軟性がほしい時があります。7/27にリリースされたSiteCatalyst 14.8に含まれる「数値2」(Numeric2)というSAINTの種類を使うと、期間や値により異なる式を適用できます。

英語の説明ドキュメントも公開されていますが、いろいろ試してようやく理解できたので、解説しておきます。

数値(numeric)のSAINTとは?

SAINTの99%は、dimensionつまりカスタムトラフィック変数やカスタムコンバージョン変数にセットされる値をキーとして分類し、単純に各種の指標を合算するために使われていると思います。

ところが、実はコンバージョン変数に限り、指定した値に紐付く指標(購入回数や売上、任意のイベント)に固定数値を加算したり、指定した割合をかけた指標を新たに作り出すことができます。

新しい指標は、該当コンバージョン変数のレポートに追加できるようになります。

この機能の用途としては、製品別の原価をSAINTでアップロードし、レポートに反映できる、とよく紹介されますが、実際のところ、原価は時期によって変動するので、使えるようで使えない微妙な機能でした。そこで、今回の機能強化です。恐らく大手の小売業顧客からのリクエストに応えたのでしょう。

今回強化されたのは、

  • 分類対象の期間を指定できるようになった
  • 同一のキーに複数の分類を設定できるようになった(結果は加算される)

使ってみた結果

という解説を読んでも分かりにくいので、手順と結果を具体的に紹介します。

分類前のレポート

eVarにevent 2と購入(purchase)が紐付いています。

1. 分類を作成

レポートスイートの編集画面で「コンバージョンの分類」を選び、分類する変数(product/campaign/eVar)を選んで分類を作成します。

数値 2」が新しく追加された分類タイプです。まだベータだそう。名前は指標の名前になります。

2.ダウンロード

次に、SAINTファイルをいつもの手順でエクスポートします。

画面下に新しく追加された「数値 2のエクスポート」を「はい」に変更します。

3. アップロード

ダウンロードした.tabファイルを編集してアップロードします。

4. レポート確認

作成した数値 2の指標「test」を選択すると、計算結果がレポートに表示されます。

計算方法

レポート1行目の「value1」はこのように分類しました。

key ~test ~test^~id~ ~test^~value~ ~test^~period~ ~test^~rate~ ~test^~hinge~
value1 1-1行目
  3 2010/03/28 - 2010/03/28 fixed none
value1 1-2行目
  10 2010/03/29 - 2010/03/29 fixed none
value1 1-3行目
  10 2010/03/01 - 2010/03/31 revenue revenue
value1 1-4行目
  1 2010/03/30 - 2010/03/31 fixed none

レポートは3/29に設定したので、2~3行目が適用されます。まず、2行目の設定により、

key ~test ~test^~id~ ~test^~value~ ~test^~period~ ~test^~rate~ ~test^~hinge~
value1 1-2行目
  10 2010/03/29 - 2010/03/29 fixed none

固定値(fixed value)の「10」が加算されます。次に、3行目の設定により、

key ~test ~test^~id~ ~test^~value~ ~test^~period~ ~test^~rate~ ~test^~hinge~
value1 1-3行目
  10 2010/03/01 - 2010/03/31 revenue revenue

売上(revenue)を10倍した結果が加算されます。

10 + 3,137,300 x 10 = 31,373,010

レポート2行目の「value2」はこのように分類しました。

key ~test ~test^~id~ ~test^~value~ ~test^~period~ ~test^~rate~ ~test^~hinge~
value2 2-1行目
  35 2010/03/28 - 2010/03/31 event 2 event 2
value2 2-2行目   35 2010/03/29 - 2010/03/29 event 2 event 2
value2 2-3行目   30 2010/03/01 - 2010/03/31 event 2 event 2

レポートは3/29に設定したので、1~3行目が適用され、event 2(e2.)の値である「1」と3つのvalueをかけた結果が加算されます。

35 x 1 + 35 x 1 + 30 x 1 = 100

レポート3行目の「value3」はこう分類しました。

key ~test ~test^~id~ ~test^~value~ ~test^~period~ ~test^~rate~ ~test^~hinge~
value3 3-1行目   0.5 2010/03/29 - 2010/03/29 revenue revenue

売上である「508 JPY」に「0.5」を掛けた結果、「254」になります。

活用方法

製品の原価以外の活用方法について考えてみました。

  • 表示された広告をproduct変数に入れて、広告の売上やマージンをSAINTする
  • 注文IDをeVarに入れておき、サイト外で確定する成約結果をSAINTする
    注文IDごとの成約結果を0または1として分類し、売上と件数に掛けることで未成約オーダーをキャンセル扱いにできる

サイト外で発生するイベントを反映する場合、transaction IDとデータソースを使うのが普通ですが、月額の運用費が発生します。小規模で似たようなことを無料で実現したい場合に、この数値2のSAINTが使えるかも?

留意点

  • レポートの対象期間を2日以上にした場合、毎日の計算結果が合算された値が表示される
  • .tabファイルでの期間を区切る「-」の前後に半角スペースを入れないとアップロード時にエラーになる
  • .tabファイルでイベント変数を記述する場合は「event 4」と数字の前に半角スペースを入れないとエラーになる
  • IDは初回アップロード時は空にしておく。既存の分類を変更する場合は、割り当てられたIDを含む.tabファイルをダウンロードしてから編集してアップロードしないと、新規の分類としてアップロードされ、結果が余計に加算されてしまうので注意。つまり編集前に必ずダウンロードするのが安全。
  • 分類したコンバージョン変数は他のコンバージョン変数とクロス集計できるが、逆は不可。他のコンバージョン変数を今回のコンバージョン変数でクロス集計しても、新しい指標は追加できない。
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