オフラインデータを取り込んで分析やターゲティングができる「顧客属性」の使い方
Post date: Nov 09, 2015 9:11:42 AM
2015年の春にリリースされた「顧客属性」(Customer Attributes)を実際に使ってみました。
会員IDで外部データをインポートできる
Adobe Analyticsにデータを送信する時点で会員IDをセットしておき、そのIDに紐づく属性情報を後でアップロードすると、分析やセグメント作成でその属性情報を利用できるようになる、という機能です。
早速使ってみましょう!
インポート方法
1. IDをセットする
ログインが成功した状態でデータをAdobe Analyticsへ送信する際に、会員IDをセットします。
eVarやPropのようなカスタム変数ではなく、Marketing Cloud ID Serviceを使ってIDをセットします。
タグマネージャ(DTM)のデータ要素を使って値をセットすると楽です。
2. CSVファイルを作る
ビジネス要件に合わせて、送信したIDをキーとしたCSVファイルを作成します。
1行目はインポート時に項目名として識別されるので、半角英数字にしておくと良いでしょう。半角スペースは問題ありません。
注意:Analyticsレポート上で日本語が表示されないというバグがあるので(2015年11月9日現在)、例では値を半角英数字に変換したカラムを追加してあります。
どのカラムを使うかはインポート後に選べるので、不要なカラムが残っていても問題ありません。
ただし、ファイルが100MBを超える場合は、Webからはファイルをアップロードできず、FTPサーバーに転送する必要があります。
3. 顧客属性ソース(箱)を作る
(Analyticsではなく)Adobe Marketing Cloudにサインインし、「オーディエンス」メニューの中にある「顧客属性」という画面に移動し、新規作成ボタンをクリックします。
「属性ソース」とは、属性データを入れる箱のようなもので、複数定義することができます。
まず、名前と説明文を入力します。
これらは、管理画面上に表示され、管理者が理解するための情報なので、見る人にとってわかりやすいことが重要です。
エイリアスIDは、内部的な識別子になり、Audience Manager内でそのまま記録されるので、半角英数(アルファベットは小文字)とアンダースコアのみで命名します。
4. CSVをアップロード
Webブラウザ上でのCSVアップロードが終わると、自動的にスキーマ検証画面に進みます。
5. スキーマを検証(カラム定義)
インポートしたCSVに含まれるカラムのデータ型や名前を定義します。
タイプ:デフォルトの「string」(文字列)だと、属性がディメンションになります。「integer」「number」(数値)にすると、カスタムイベントや計算指標のように、指標として使えるようになります。
表示名:レポート名になり、メニューなどに出現します。
説明:属性についての説明文を適宜。
6. ツールに紐付ける
顧客属性のデータをAnalyticsなどのツールで利用できるようにするため、マッピングが必要です(初回のみ)。
スキーマで定義した項目のうち、連携させたいものにチェックを入れます。
ツール内で選択できる属性の数は契約によって変わります。Adobe Analytics Standardの場合は3つまでです(2015年11月現在)。
ツールは後から追加することも可能です。顧客属性のデータはAnalyticsのデータとは独立したデータベース(Audience Manager)上に保管されるので、後から紐付けた場合でも、取り込み済みのデータをすぐにツール側で利用できます。
7. 有効化
最後に「アクティブ」をクリックして有効化すれば準備完了!
初回だけ初期設定に少し時間がかかるので、しばらく待ちましょう。
Analyticsでのレポートでの見え方
初期設定が終わると、新しいメニューが出現します。カスタマイズしていない標準状態では、「訪問者プロファイル」の下の「顧客属性」の下に、属性ごとの項目が追加されます。
顧客属性をアップロードすることによって、以下のような興味深い分析ができるようになりました!
セグメントでも使えるという点が重要です。Marketing Cloud経由でセグメントを共有すれば、顧客属性を使ってAdobe TargetでA/Bテストやターゲティングも可能です。
Web上の行動に加えて、デモグラ情報やオフラインでの購買情報、ロイヤルティ、セールス系情報なども合わせた分析やターゲティングが可能になるのです。これはスゴイ!
SAINTとどう違う?
今までは、同様のことを実現するためにSAINTで分類する必要がありました。
今回の顧客属性がAnalyticsの分類(SAINT)とどう違うのかをまとめておきます。
ユニーク値の月間最大件数の制限がない
Analytics以外のツール(TargetやAudience Manager)でも使える
ディメンションだけでなく、指標としても使える
アップロードできる属性の数が多い
Adobe Analytics Standardは3個
Adobe Analytics Premiumは200個
参考:公式ヘルプ