クリック分析の新機能「アクティビティマップ」新登場
Post date: May 02, 2016 7:41:52 AM
2016年4月のアップデートで、新機能「アクティビティマップ」がリリースされました。ここ数年間アップデートされることなく放置されてきた類似の機能「ClickMap」が、ようやく刷新されました。根本的に作り直されていて、機能も増えています。
ClickMapから進化した点
同一ページ内のリンクを自動で判別:以前はリンク先URLだけで識別していたので、同一ページ内でリンク先が同じリンクが複数ある場合は特殊なタグ追加などが必要でした。新しいアクティビティマップでは、リンクテキストやALTなどを組み合わせて個別リンクを識別できます。
セグメントを適用可能に:ようやく対応。分析に必須の機能ですね。
リアルタイムデータを表示可能に:「Liveモード」に切り替えると、「現在のデータ」とも呼ばれ、リアルタイムレポートでも表示される、トラフィック系の直近データを表示できます。
閲覧中のページに関する詳細データを表示可能に:各種指標やパスレポートを表示できます。パスのレポートは今風に刷新されました。
すべての指標を表示可能に:クリック数だけでなくカスタムイベント(コンバージョン)も選択できるようになりました。
アクティビティマップを導入する方法
アクティビティマップは、デフォルトのままでは使えません。導入のために、以下の3つの手順が必要です。
計測用ライブラリを最新化:AppMeasurementの1.6以降が必要(s_code.jsには非対応)
レポートスイートの設定でアクティビティマップを有効化
ユーザーをグループに所属させる
手順を追って説明します。
1. 計測用ライブラリを最新化:AppMeasurementを1.6以降が必要(s_code.jsには非対応)
DTM(タグマネージャー)を使っていれば楽勝ですね。
ツール設定のドロップダウンメニューで「*(最新)」を選択して保存し承認したら配信するだけ。
これで、クリックした箇所のデータが送信されるようになります。クリックしたときにコールが発生するのではなく、次のページの通常計測データに、前のページでクリックしたリンクに関する各種のデータが追加されるようになります。
※ヘルプに「AppMeasurement.js以外にコードの追加が必要」という記述が残っていますが、AppMeasurement.jsに標準で含まれるようになったので、手でコードを追加する必要はありません。
2. レポートスイートの設定でアクティビティマップを有効化
管理者メニューのレポートスイート設定画面に「アクティビティマップ」という新しい項目が追加されています。
少々おかしな日本語が表示されますが、気にしないで「アクティビティマップレポートを有効にする」をクリック。
このようにサーバー側でも有効化しないと、送信されたデータを受け取って処理してくれません。
3. ユーザーをグループに所属させる
同じ画面の「ユーザーをグループに追加」をクリックすると、自動的に追加された「Activity Map Access」というグループの編集画面が表示されます。
アクティビティマップを使うユーザーを追加しておきます。
アクティビティマップを使ってみよう!
1. インストール
ClickMapと同じように、ブラウザアドオン(プラグイン)のインストールが必要です。
「ツール」メニューに追加された「アクティビティマップ」に移動します。
グループに所属するユーザーが開くと、以下のようにダウンロード用のリンクが表示されるので、クリックしてインストール。
ブラウザは自動で識別してくれます。
2. サインイン
インストールが終わったら、サイトにアクセスして、バーに追加されたアイコンをクリックしてAdobe Analyticsにサインインします。
「サインイン」すると、Webページの右上にツールバーが表示されるようになります。
3. 日本語に切り替える
まず「Settings」で日本語に切り替えておきましょう。
「Other」タブに切り替えてLanguage設定で「日本語」を選択。
4. 詳細データを表示
タイミングによって、データがゼロになることがあるようです。
そこで、まず設定アイコンの左にある目のアイコンをクリックして、詳細データが表示されるか確かめてみましょう。
画面下にリンクの一覧が表示されます。
「リンククリック数」がカウントされていれば、正常に動作しています。
リンクID:アンカーテキスト(テキストリンクの場合)、ALTやTitle属性やファイル名+リンク先URL(画像の場合)など
地域:日本語訳が変ですが、リンクが配置されたエリアのこと(CSSのクラス名など)
表示:計測されたリンクが画面にまだ表示されている場合は「表示済み」になる
つまり、リンクをクリックした時にAppMeasurement.jsがリンクIDと地域の情報を自動で取得し、ClickMapサーバーへデータを送信、Adobe Analyticsもこれらの2種類の情報を組み合わせて個別のリンクを認識する、ということですね。
5. クリック数を表示する
さて、肝心のクリック回数を表示してみましょう。
デフォルトだと、「バブル」(吹き出し)で指標が表示されます。
バブルは水平方向にズレて表示するバグがあり、それが直ったとしてもどのリンクを指しているのかがわかりにくいので、「グラデーション」がおススメ。
「グラデーション」ならリンクのクリック可能な領域が囲まれて表示されるので、わかりやすいです。
表示される数字は、設定画面で変更できます。
ラベルなし:数字を表示しないという謎のオプション
値:クリック回数や訪問回数、注文回数など、設定で選択した指標の実数を表示
割合:リンクごとの値を全リンクの合計値で割ったパーセント
ランク:上位からの連番
分析の目的や指標の種類、トラフィックの量によって選択。数値が1桁、2桁と小さい場合は「値」が無難。リンクごとの違いをわかりやすくするのが大事。
6. 新しいパスレポートが使える
ページ下部のパネルを開いて左上の「ページの詳細」に切り替えると、開いているページに関する各種指標とパスレポートが表示されます。
このパスレポートでは、モバイルアプリ用のレポートで実装された新しいデザインが採用されています。
末端をクリックしても前後移動できないので、モバイル画面のパスレポートには及びません。早く分析ワークスペースに実装して!!
7. Reports&Analyticsの画面でもチェック可能
通常のレポート画面にも「Activity Map」というメニューが追加されていて、同じデータを確認することができます。
が、このレポートは義務的に追加されただけで、使う機会はほとんど無いと思います。
Data WarehouseやReport Builderでデータを取得できることの方が重要ですね。
清水の感想
コンテンツやUIの分析に使える
実際にクリックされたリンクのみが対象になり、クリックの位置は記録されないので、ヒートマップ系のツールではないことを理解すべし
パスレポートの代替えとしても価値がある
日本語訳の質が低いので、英語で使ったほうが良い