訪問の定義:サイトカタリスト vs Googleアナリティクス

Post date: Nov 08, 2011 11:58:39 PM

2011年8月に、Googleアナリティクスにおける訪問(Visit、セッション)の定義変更が発表され、話題になりました。 

Adobe SiteCatalyst(サイトカタリスト)における訪問の定義について、Googleアナリティクスと比較しながらまとめてみました。

GAの仕様変更でSiteCatalystに近づいた点もあれば、乖離した点もあります。

ヒット間隔が30分というのは、30分以上アクセス解析のサーバーにデータが飛ばなかった時は、次のヒットは新しい訪問としてカウントされる、という意味です。Googleアナリティクスの場合は、ブラウザのCookieにこの情報を格納するので、設定で間隔を変更できます。SiteCatalystはサーバー側で処理するので、変更はできません。

ブラウザ終了で訪問がリセットされないのは、妥当な仕様だと思います。タブやウィンドウを閉じたときに、それがOS上で唯一のブラウザであれば、内部的にはブラウザが終了したことになりますが、まだ他のウィンドウやタブで別のサイトを開いていれば、ブラウザは終了したことになりません。「ブラウザが終了する」という現象はOSの都合であって、ユーザーの意図が込められているわけではないので、この現象を訪問のカウントに反映してしまうのはデータの誤差が増えるだけでしょう。

最大継続時間は、便宜的な制約です。いつまでも訪問を継続してしまうと、コンバージョンのアトリビューションなどが確定しないのでレポートのデータが確定しない、後で数字が変化する、という不都合があります。また、システムにとっても処理用の中間的なデータが増えてサーバー負荷が高まります。GAの場合は00:00に強制リセット、SiteCatalystの場合は訪問を開始してから12時間後に強制リセットします。この仕様については、SiteCatalystの方が良い仕様ですね。深夜をまたいでアクセスされることが多いサイトの場合、GAだと訪問が水増しされ、かつコンバージョンが正しく元の値にアトリビュートされない(ノーリファラーのコンバージョンが増えるなど)ためです。

最大ヒット数の制約も同じ理由でしょう。特にスクレイパー系の自動パイロットソフトでサイトに集中アクセスすると、サーバー負荷が高まり、レポート遅延の原因になるので、強制リセットします。30分以上の間隔を開けずに2500ページ(&クリック)をし続けるなんて人間技とは思えないので、レポートへの影響は少ないと思われます。この手の不自然なアクセスは除外しても良いくらいです。

訪問の途中で別のトラフィックソースから外部流入した場合に訪問をリセットするというGAの新仕様は、訪問を他のディメンションに割り当てる仕様との絡みで、そうしないと分析しにくいためと思われます。SiteCatalystの場合は、訪問中のどのページでも「訪問」という指標が使えるので、リセットする必要はありません。途中で外部サイトから改めて流入したとしても、全体の訪問は「1」のまま、両方のトラフィックソースで訪問が「1」とカウントされます。

どっちの勝ち?

間隔を変更できる点はGAの勝ち、深夜に強制リセットされない点はサイトカタリストの勝ち、その他の違いは甲乙つけ難し。