複数の値を同時に計測する5つの方法まとめ
Post date: Aug 08, 2013 7:15:24 AM
Web解析では、一つのカスタム変数に一つの値を入れるのが基本ですが、フォームの入力エラー項目、一つのページに表示された画像やパーツの種類など、同時に複数の値を格納したい場合があります。
SiteCatalyst (Adobe Analytics)での計測方法は5種類あります。メリットとデメリットを理解してベストな方法を選ぶと良いでしょう。
1. つなげて計測し、後で分解する
区切り文字を決めて結合した状態でカスタム変数(PropまたはeVar)にセットしておき、エクセルなどで分解する、という苦肉の策です。
コード例
s.eVar1 = 'aa,bb,cc';
s.events = 'event1';
レポート結果
これをエクセルなどで分解して再集計する必要があります。つながった状態で重複判定されているので、個別要素ごとの訪問や実訪問者数は算出できません(分類すれば可能)。
メリットとデメリット
○ 設定の依頼が不要ですぐ計測できる
× 分解して集計するのが面倒
2. List Propを有効にする
単純に個別要素の発生回数をカウントしたい場合は、Propのオプション設定を有効にすれば、区切り文字で自動分解し、それぞれを個別にカウントしてくれます。
コード例
s.prop1 = 'aa,bb,cc';
区切り文字は任意の文字を指定可能
最大100文字というPropの制限は全体に適用される(例:各項目が10文字だと9個しかセットできない)
レポート結果
1回のコールで3つのアイテムが計測されました。
メリットとデメリット
○ Propは75個使えるので、変数の消費を気にしないで済む
× 管理コンソールでは設定できないので、サポートに有効化を依頼する必要がある
× ListのオプションをONにするとそのPropではパスを有効化できなくなる
3. リスト変数を使う
v15で新しく実装されたカスタムコンバージョン変数です。
List Propと同じように、区切り文字を指定すると自動で分解してくれます。違うのは、値のアトリビューション(有効期限や配分方法)を設定し、コンバージョンを計測できる点です。
コード例
s.list1 = 'aa,bb,cc';
s.events = 'event1';
区切り文字は任意の文字を指定可能
レポート結果
配分を「フル」にしたので、それぞれに100%ずつコンバージョンが配分されています。配分方法がeVarと少し違う点にご注意。
参照:http://google.cms-ia.info/sitecatalyst/jp/list-var
メリットとデメリット
○ コンバージョンが分かる
○ 訪問を超えてそれぞれに100%配分できる(一方パーティシペーションの場合は訪問を超えられない)
× 3つしか使えない
× データ抽出できない(2013年8月現在)
4. ヒエラルキー変数を使う
同時発生する個別要素を独立してカウントするのではなく、カテゴリや住所など要素間の関係性を維持したい場合に。
階層構造を持つデータを計測するための特殊な変数です。
コード例
s.hier1 = 'aa,bb,cc';
区切り文字は任意の文字を指定可能
レポート結果
メリットとデメリット
○ レポート上でフォルダのように階層をもぐっていける
× 管理コンソールでは設定できないので、サポートに有効化を依頼する必要がある
× Report Builderで抽出できない(2013年8月現在)
× マイナー感があり最近は進化していない
5. Product変数を使う
Product変数が余っているなら、それを流用するという方法もあります。
ただし、Product変数はフルサブeVarと同じようなもので、発生頻度が高いとサーバーに負荷がかかります。発生頻度が低い場合に検討すると良いでしょう。
コード例
s.products = ';aa;1;1,;bb;1;1,;cc;1;1';
s.events = 'event1';
レポート結果
メリットとデメリット
○ レポート機能が充実
○ コンバージョンが分かる
× 一つしか使えない
× 発生頻度が高いとサーバーに負荷がかかり、遅延につながる
結論:結局どれを使うと良い?
特徴をまとめると:
コンバージョンを見たいならリスト変数。ただし、配分方法がeVarと違う、データ抽出できないという点に注意。それがNGならProduct変数も検討。
単にカウンターとしてインスタンスや訪問、訪問者数を見たいだけなら最大75個使えるList Propが良さそう。