SiteCatalystにおける訪問者の定義

Post date: Nov 10, 2011 4:10:36 AM

前回はサイトカタリストにおける訪問 (Visit)の定義について紹介しましたが、今回は訪問者(ビジター=Visitor)の定義について紹介します。最後の2点は、あまり知られていない仕様・新機能です。

訪問者をカウントする方法

Cookieが使える場合

訪問者は、SiteCatalystの計測サーバーによって発行されるランダムなID「ビジターID」によって識別されます。このビジターIDはブラウザのCookie(SiteCatalystでは「永続的なCookie」と呼ばれる)に保存されるため、かなり高い精度で同じブラウザからのアクセスを紐付けできます。

ただし、ブラウザを変えたりCookieをリセットすると、同じユーザーでも別の訪問者として識別されるようになります。そういう意味では、「ユニーク訪問者数」というよりは「ユニークブラウザ」と考えた方が正確です。

Cookieが使えない場合

SiteCatalyst 14以前:

IPアドレスとUA(User Agent=ブラウザの種類)の組み合わせで訪問者を特定します。企業のネットワークからアクセスする場合、複数の訪問者が同じIPアドレスでアクセスすることがあります。インストールできるソフトウェアもコントロールしている場合、ブラウザ名が同じ確率も高まります。

この方法で計測された結果は、サイト指標>訪問者のレポートでのみ表示されます。他のレポートに指標として追加できる「日別/週別/月別訪問者」には、Cookieが使えない場合の訪問者は含まれません。不正確な値を反映させないための仕様と思われます。

参考Knowledge Base: 555

SiteCatalyst 15以降&Discover

IPアドレスとUAによる判定ロジックが変更され、別のデータも加味したより正確なロジックで訪問者を特定できるようになりました。サイト指標>訪問者のレポートでも、他のPropやページなどのレポートに追加できる指標でも、Cookieを使えない場合のアクセスが含まれるようになります。

参考Knowledge Base: 129

重複のカウント対象期間による違い

同じ訪問者でも、どの期間で同じビジターIDを重複とカウントするかによって訪問者の数が変わります。

の6種類があります。

このうち、指標としてレポートに追加できるのは日別、週別、月別のみですが、どのレポート(ページ、サイトセクション、カスタム変数など)でこれらを計測するかは設定が必要です。Adminコンソールでは設定できないため、ClientCareかAccount Managerに依頼する必要があります。

なお、SiteCatalyst 15以降では、「実訪問者」(Unique Visitor)という指標が増えました。重複のカウント対象期間は固定ではなく、指定した任意の期間(レポート右上で指定した期間)になります。

1年訪問しないとリセットされる

実は、訪問者は1年間以上アクセスしないと、サーバー側からビジターIDが削除されます。Cookieの有効期限を5年など長くし、同じビジターIDがサーバーへ送信されても、1年以上の間隔を開けた場合は、サーバー側でビジターIDが削除されているため、新しい訪問者としてカウントされるのです。有効期限を無期限にしたeVarもリセットされます。

デバイスを超えた訪問者の統合が可能に

これは2011年10月のメンテナンスリリースで実装された新しい機能です。ビジターIDは、昔からs.visitorID='12345abcde';などと明示的に指定することができました。このCross-Device Visitor Identificationという機能をRSごとに有効化すると、ブラウザやデバイスに関わらず同じビジターIDを明示的に指定した場合に同じ訪問者として認識され、訪問がつながるようになるのです。そのためには、ビジターIDをランダムに生成するのではなく、ユーザーIDなどを利用したアルゴリズムを使うことで、同じ人なら同じ値になるようにする必要があります。これによって、デバイスを超えたアトリビューション分析が可能になりました。

参考Knowledge Base: 10627

※英語のImplementation Guideにも詳しい解説があります